本当にいた、やばい社員
これはかつて私がコンサル会社にいた時に出会ったモンスター社員Y氏のお話です。
どこの会社にも、ろくでもない社員はいるものです。
しかし、このY氏はずば抜けていました。
背景を少しご説明いたしますと、私とY氏は同じ会社の人間ではなく、某大企業A社(以下クライアントと呼ぶ)を支援するために互いに別々の会社から派遣され、基本的にはクライアントの社内に常駐して、プロジェクトの支援要請があれば依頼をしてきた部署の方々を支援するという形で業務に従事していました。
整理すると下記のような状況です。
【プロジェクト支援を請け負う外部業者】
・私が所属していたB社から10名程度
・Y氏が所属していたC社から10名程度
【上記20名の勤務地】 ⇒ クライアント企業A社の社内
※クライアントの部署から要請を受けた際に、B社、C社の稼働状況を見て、案件が振り分けられるが、B社とC社が同じ案件に協力して取り組むこともある。
Y氏の驚きの言動ファイル① 「自分の上司を嘘で葬る」
Y氏は当時、C社メンバーの中ではNo.2であり、クライアントが色々と業務を振ってくることに対してよく不平不満を口にしていました。またY氏自身もそれを我々に隠す素振りもなく、堂々と我々の目の前でクライアントの悪口を言っていました。
例えばクライアントからメールで追加リクエストなどが届いた時はそのメールを見て
「まじコイツら死ねって」「ほんま殺したろか」などの暴言は日常茶飯事でした。
とはいえ、他社様のことなので我々は聞き流していました。
さて、ここからが本題です。
Y氏には仕事熱心な上司Kがおり、K氏はC社側の責任者でした。
K氏はクライアントからの面倒な要求を拒否することなく受け入れるタイプだったのですが、Y氏は自分の業務が増えてしまうことを非常に嫌がるタイプだったため、K氏のことをよく思っていませんでした。
実際、Y氏がK氏に「ちょっとKさん、もうコイツらからの追加要求は断ってくださいよ~」としかめ面で言っていたのを私は隣で何度も見たことがあります。
ある日、Y氏達と一緒に取り組んできた大型プロジェクトもひと段落して、最後の挨拶を3者間(クライアント部署、我々、Y氏達)でしていました。やりとりはメールだったので、上記3者の関連メンバーは全員To又はCCに入っていました。
そしてY氏が所属しているC社側は責任者のK氏が代表して感謝の意をメールで送ってこられたのですが、その数分後にY氏からも改めて我々にメールが届きました。
「この度は皆様のご協力もあり、無事にプロジェクトが終了し、我々としましても安堵いたしております。誠にありがとうございました。また、今回は弊社のKの至らぬ点により皆様に多大なるご迷惑をお掛けして大変申し訳ございませんでした。C社を代表して私の方からお詫びさせていただきます。また今後ともよろしくお願いいたします。」
といった趣旨の内容だった。
これまでのメールのやりとりにはずっとK氏も入っていたのですが、Y氏は意図的にK氏だけを外してそのメールを送ってきました。
そして何より驚いたのはK氏は何も迷惑を掛けておらず、むしろC社側では一番よく頑張ってプロジェクトに尽力してくださった方だったので状況が理解できませんでした。
つまりY氏はクライアントのプロジェクト責任者の懐に入り、あること無いことを吹き込み、K氏の印象が悪くなるように持っていき、K氏をクビにしようと企んでいたのです。
その手口はこうでした。
Y氏が「クライアント側の責任者から、内密にしてほしいと前置きされた上で、今後はK氏を外してほしいとの相談が私にあった」とY氏所属のC社に虚偽の報告をする。そして「この事実をそのままK氏に伝えるとクライアントに気まずい思いをさせることになる上、K氏のプライドも傷がつくので、K氏にはこの事実を伝えず、会社としての人事異動という形で処理をしてほしい」と依頼。その結果、K氏を常駐メンバーから外すことに成功。
次に、K氏の交代要員として同等レベルの先輩が来てしまうと、Y氏はまた楽ができなくなるので「自分はクライアントとの関係も上手く築けているので、K氏の後任は自分が担う」とC社に打診し、C社もそれを承諾。
結果、1ヵ月もしないうちにK氏はそのクライアント会社から去ることになり、Y氏は思惑通りC社でトップとなり、自分より先輩がいない居心地の良い環境を手に入れることができました。
その後、Y氏が面倒な仕事を全て後輩たちにやらせるモンスター社員と化したのは言うまでもありません。
これは、当時私達と一緒に働いていたC社側の人間がC社を退社後に私に語ってくれたことなので、憶測では無く事実に基づいたお話です。
Y氏のモンスターエピソードはまだまだありますので、また次回ご紹介できればと思います。